七月号
 
○夏越祭について
    [みな月のなごしの祓ひする人は千歳の命のぶといふなり]
 
    夏越(なごし)とは、日本古来よりの祓(はらい)の行事です。酷暑や風水害や疫病の発生しやすい盛夏を迎えるに際し、一年の前半期の罪禍を祓い、来たる半年の無病息災を祈ることに発したものですが中世になってからは悪霊や疫病鎮謝の御霊会や祇園会と結びついて夏祭として発展しました。
 とくに夏越祭に欠かせない茅の輪(ちのわ)くぐりは、スサノオノミコトが蘇民将来という敬神の念篤き人に茅の輪を腰に巻くことで疫病を逃れさせたという、「備後国風土記」にある古い伝承に基づいた行事なのです。
 赤間神宮の神殿に隣接する摂社鎮守八幡宮は宇佐八幡宮の御分霊を鎮祭し、古来日本西門(関門地区)鎮守と称せられ、西海鎮護の上に絶大な御神徳を発揚されてきましたが、夏越祭は氏子十五カ町挙げての当八幡宮の最も大きなお祭リでもあります。どうぞご家族ご近隣お誘い合わせにてお参りください。
 
 
○七月の祭典行事
    七月一五日 午後六時
       耳なし芳一祭<ラフカディオ・ハーンによって世界に紹介された怪談の白眉である耳なし芳一の伝説地である当神宮七盛塚において芳一の木像を安置して慰霊祭が行われる
     
     
     七月二九日 午前十一時
      鎮守八幡宮夏越祭<本殿祭、茅の輪くぐり、大神興・子供神輿の御神幸、玉替行事、余興、夜店など終日賑わう>  
      
○七月の言葉
  古道につもる木の葉をかきわけて天照る神の足跡を見ん  二宮尊徳 
     最高至貴の神として古来仰がれている天照大神の御事跡は古事記、日本書紀などの古典に記載されている。それらを「古道につもる木の葉」にたとえて古典の中に伝えられた大神の御言動をつぶさに読み考えることによって日本人としての正しい生き方を知る努力の大切さを教えている。